Paca Kajero

うちの菜園の状況などを徒然に

人参ケーキに想ふ

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(注:写真はパクリです。すみません)

お世話になっているマスヤさんの麦音店で冬に出した人参がやっとこ商品化されたと聞いて、早速食べてみました。

基本ケーキ、というか甘いもの苦手なので、うちの使ってくれているから...
という気持ちでしたが、一口目の人参の香りに、さすがだな...と。
加糖しているし、全体からすると僕の好みじゃないんですが、
(加糖自体は一般化という意味で全然悪くはないです。あくまで僕の好み)
以前いただいた試作の赤い食パンは、「色だけかぁ…」と思っていたので、うれしい驚きでした。

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仕事をきちんとしているプロの料理人、二次加工の職人のお客さんが野菜に求めるところは、甘みも含めた味や、使いやすさ、値段(笑)もあるけど、腕がある人ほど「香り」を重視するような気がします。
生産者としては、もちろん色々な経営スタイルがあると思うので、生活(経営≒売り先)と生産物のバランスの中で作り方を変えるのですが、うちの場合はニッチを狙っているので収量よりも味や香りを優先させたいと考えています。もちろん失敗ばかりで良いものを創れるときなどまれなのですが…
創ったものお渡しし、どういじるかは次のステージの方々の問題で、僕がどうこういうことはないのですが、うちの子に向き合ってくれて、こういった作品に変わってくれると純粋にうれしいです。

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生産者にとって、自分の大事な子たちをどう扱ってくれるかって、とても大事だと思っています。うちのものを扱っているかどうかかかわらず、食事をする時は、そうしてもそういう生産者目線で見てしまうのですが、味や香りの無い野菜を薄味でポンと出されるととても哀しい気持ちになります。
いいわけですが、天候等いろいろな条件で満足のいかないものができることが多々あります(というか、天候を言い訳にしてそんな野菜しか出せていない気も...)。

だけどね、
だったら強制的に味付てくれよぉ~
そのまま出すなよぉ~

生産物に向き合って欲しいです。

ホウレンソウひとつとっても品種、産地、栽培方法、収穫時期、それどころか同じ生産者同じ畑でも一日違うと全く違うものになることありますからっ
レシピにあるからどんなものでも300g使って塩小さじ一で...じゃないっすよ!

逆に言うと、腕のある料理人は、どんなものでもお客さんに出せる技術を持っているわけで...その中で自分はどういうものを創っていけばいいのか、といつも悩んでいます...

この間久しぶりにお客さん増やそうかな、と外食し、あまりに哀しい気持ちになりました。そして、普段何気に接しているけど、今、僕はお客さんに恵まれているなぁとしみじみ感じました。

  ryo