Paca Kajero

うちの菜園の状況などを徒然に

うちのやり方、という蛇足 その9 止

このブログでこんな続いたシリーズは珍しいけど、
ながくなるし、ぐだぐだになるし、そろそろ毎日仕事し始めたので、ここら辺で一区切りつけます。


農法の説明って感じで始めたんで、
耕起するかしないかって話や、水分コントロール
微気象/微地形の利用や、混植についても書かなきゃかもしれないのですが、
どんどんマニアックになっていくので聞きたい人は個人的に聞いてください。
ここらへんはテクニカルは話になるので、食べ物に直接関係なくなっていくし…


で、最後は農業そのものから少し離れるかもしれないですが、
僕が仕事する上で大事だなぁ、と思っていること。


***


僕は実家が農家だというわけではなく、新規で始めたわけで、農家をやる前にはいろいろやってました。
大学卒業後は(というか在学中に)IT会社の立ち上げの手伝い(総務的な仕事)、
Webを中心にしたデザイン、道の臨時職員でキャンプ場のお兄さん、
前の会社で環境調査、河川計画、イベント企画、バイオマス利用検討、設計の真似事…
間で長期にカメラ屋さんや電気工、家庭教師なんかのアルバイトしたりしてました。
農業関係どころか職種もバラバラ…


でもね、僕は仕事って積み重ねた経験や特化した能力も大事だと思いますが、
そういうものがない、というかあったとしても仕事に向き合った時にやることってなんでも同じだと思うんです。
「自分のできること、できないことを整理して、決められた条件の中でベストを尽くすこと」
これで全部。
自分のスキル、道具、手伝ってくれる人、人間関係、足りないものを補充するためのコスト、使えるお金、作業に必要な時間…
どんな条件も全部そろっているときなんてそうそうなくって、
持って生まれた境遇や才能なんかも含めてね。
だから、それではたから見たら60点くらいの仕事しかできないかもしれないですが、
それを61点、、62点と一点でも質の良いものにするように、
自分のその時点の条件の中では常に100点を目指すように方向付けして、努力すればいいんじゃないかと思います。


で、仕事って、おしなべてどんな仕事でも、
1.目に見える目標(ノルマとか、仕様書に書いてあるようなもの)の達成
2.その仕事の裏にあるクライアント、もしくはユーザーのニーズの的確な反映
3.社会的に資する
って3段階の目的があると思うんですよね。


皆結構一つ目で汲々としちゃう。僕みたいな自営業だったら単純に「赤字を出さない」だとか「食ってく」ってレベルで。
(そして僕も汲々としている)
2つ目はきちんとそつなくこなすと「仕事できる奴だな」的な評価が得られるし、出世するかもね。
でも、人に評価されないかもしれないけど、3つ目の目標が仕事をする最終的な意味だと思います。


宝くじで一等が当たっても野良仕事をするかどうか、みたいなところ。


どんな仕事でも社会全体のためになることや次の世代につなげられる仕事ができると思います。
自分はなにができるかあまりまだわかっていませんが、
WWOOFerさんの受け入れやキャンプ、イベントをしていくというのが、僕なりのアプローチです。
自分自身はもとより、地域、周りの人たちとの価値観の多様化に対する相互理解をどうしたら進めて行けるか…
次世代の農業やそれを志す人への手伝い、平和でより自立した社会を作るためにどう歩んでいけばよいのか…
優柔不断だし、常に失敗ばかりしていますが、悩みながら何かしらを続けていきたいと思っています。



あとね。そもそも貧乏しながらやっているんだから、
好き勝手やらせてもらいます。


そこそこいい値段付けさせてもらっていますが、それでも同じような農産物の小売りの値段と比べたら格安だと思います。
だから、まけろと言われても絶対にまけない、というよりそういう人には売らない。
嘘をついたり、人間的に気に食わない人にも無理に売らない。


子供やお年寄りや若くてかわいい女の人にはあまくする。
お金がなくてもどうしても欲しいと言われれば物々交換でも可。
困っている人がいれば(俺よりね!)いくらでも食べていい…


そんな感じでやってきます。
商売もしなきゃだけど、それだけじゃなくて全体の中での食べ物作る係だと思ってますんで。


  ryo