Paca Kajero

うちの菜園の状況などを徒然に

うちのやり方、という蛇足 その6

だれか読んでくれているのかくれてないのかわからないシリーズも6回目。
これは極度に暇な今時期の暇つぶしとともに、
あとで僕が読み返してみて「あ〜あの時の自分はこんなことを考えていたんだなぁ、まだまだだったなぁ」
と哀愁に浸る目的もあるので、


読んでくれる人がいなくてもいいんだから。


拙菜園に来て、まずたいていの人が思うのは「どこに野菜あるんだ?」ということだと思います。
それほど野菜以外の草が多い…
一昨年うちも含めた圃場見学会をした時に、
他の圃場では熱心にメモをとったり、質問したりしていた参加者が、すこし目線をそらし、
「宇佐美さんのところは緑がいっぱいでいいですね〜」的な感想ばかり話していたのが印象的でした。


農業関係ない…


***


拙菜園では草生栽培で野菜を育てています。
ようするに所謂「雑草」がそこかしこに生えています。
実際の草生栽培はちゃんと播種してるんだけど、意味合い的には同じなのでそこらへんは割愛。
一般に草生栽培は果樹などで多く、あまり野菜ではやりません。
近頃は若干近いリビングマルチなどもカボチャなんかで取り入れているところが増えてきていますが…


<草を生やすメリット>
・地表面を露出させないことにより、紫外線、風雨などによっておこされる土壌の浸食を防ぎ、土中の微生物生態系へのダメージを軽減する
・同じく地表面を露出させないことにより水分の過度な蒸発を防ぐとともに草たちの水分吸収で極度の過湿を防ぐ
・圃場に生育する植物種を多様化させることにより、土壌成分のバランスをとり、根圏の微生物層を多様化させる
・根圏の発達による土壌の物理性の向上
・土中の窒素の吸い上げと、持続的な要素の循環。有機質としての土中へ還元されることにより腐食の増加、物理性が向上する
・地表面の生態系の多様化(天敵の隠れ家になる:バンカープランツ…ただし害をなすものの隠れ家にもなる(笑))


<草を生やすデメリット>
・一般に作物より「雑草」の方が生育スピードが速いため、作物の生育を(直接的、間接的に)阻害する
・収穫時などの機械作業の邪魔になることがある


デメリットの作物の生育阻害が結構重要で、
それによって大幅に収量が落ちたりするんで、まともな神経を持って職業として農業を営んでいる人はやりません。
ここでうちもよく誤解されるんですが、草を放っておいているんじゃないですよ。
全く窒素を入れないで雑草も作物も成長しなくていいんだ、と割り切っているならともかく、
へたに肥料を与えているので、草たちの生育も順調です(笑)
なので、機械や手による除草、資材(ビニールマルチなど)による除草、
草たちが生育したのには鎌や刈払機などで草たちの根を傷つけないように除草しています。


作物の生育ステージに合わせて。


夏場なんて管理作業はほぼ草取り/草刈ですよ。
放置しているように見えるかもしれませんが(笑)。


むしろ余計に仕事が増えてる…


ハクチョウが優雅に見えてもっていうあれです。
喩が違うな…


一般的な農業では、単一作物を連作することによる連作障害を嫌って輪作をしたり、
土壌の改善や有機物の投入を目的に緑肥を播いたりするわけなんですが、
それと同じような理屈です。
もちろんうちでも毎年植える位置を変えていますし、
休閑緑肥の考え方はとても魅力的なんですが、面積少ないしなぁ…


また、昨今の研究により植物体が低分子のアミノ酸を直接吸収できることがわかり、
資材にアミノ酸系を入れているものも増えてきました。
ですが、無数にあるアミノ酸のどれがどのように作用するかはまだ分かっていません。
なんで、とりあえずうちの畑固有の微生物層を豊かにしておき、微生物の生成するアミノ酸の種類と量を増やしておく、
ってことがうちの野菜独自の味の深みに繋がっていくんじゃないかなぁ、と思っています。


繋がってくれたらいいな。


チーズ創りみたいなもんでしょ、きっと。


続く




  ryo