Paca Kajero

うちの菜園の状況などを徒然に

うちのやり方、という蛇足 その5

だんだん炎上しそうな内容になってきます。


あくまで、「今の僕のやり方」や「今僕がどう考えているか」で、
それをやっている人が悪いっていうんじゃないので、あしからず。


前に違うこと書いた時も誤解されたんだけど、
自分がどういうものが好きだ、やら、自分がどう考えているっていうのは、
10人いたら10人違うと思うし、
違いを尊重すればいいだけの話で、
自分と違う人を無理やり自分と同じ意見にしようとしたり、
意見を言えなくなる風潮と作るということは、民主主義国家に生きている市民としてはどうかと。
農法でも政治でも天皇制でもなんでも…それぞれ意見を持っていて違って…それが健全なのかなって思います。


炎上するな!


***


で、前回からの続きなのですが、
じゃあ、逆にどんなものを使ってないか。


まず、有機JASで認められたものでも「農薬」的なものは一切使っていません。
「何かを抑えたり、殺したりするのに人為的に資材を使う」っていう考え方がなじまないんですよね。


余裕があれば、ひたすら手で虫とっていたりするので、僕が農薬みたいなものかもしれませんが…


あまり知られていないかもしれませんが、有機JASでも使用できる農薬がいくつかあります。
拙菜園の場合は多品目でそのうちいくつかは病害虫の被害を受けることがあるのですが、
だめなものはだめだとあきらめる(笑)
単一栽培と異なり被害の広がりが鈍いのと経営に壊滅的な被害を出さないことも多品目栽培の利点だと思っています。
これは別の機会に…


もう一つは、人為的に他の生物を何らかの目的で圃場に移入するようなものはなるべく使用しないようにしています。
(一部ぼかし肥などは発酵などを目的に菌類が入っていることがありますが)
農薬とかぶるのですが、微生物を利用した生物農薬(BT剤)、天敵の移入(生態学的防除)。または微生物資材のようなものです。
BT剤は生物由来ですが化学物質由来のものと同様人体に入る場合は世代を経て長い年月をかけた検証が必要でしょう。
安全か安全じゃないかわからないから、わからないものは使わない(予防原則)、という考え。
外部からの天敵や微生物の人為的な移入は、マングースの喩を出すまでもなく、
コントロールの難しさと、周囲の生態系の攪乱の可能性があるからです。
微生物資材は流行りですが、あまたの微生物の中で、特定もしくは数種の微生物の働きだけに着目して効果を上げようという考え方は
あまり好みじゃありません。


圃場のほぼすべての作物は移入種ですし、畑に生えている草たちも外来種が多くみられます。
だからと言ってなんでもありか、っていうとそうではなく、
できる範囲内で土着の小動物/微生物(これらは同じ種でも「方言」のようにその土地独自の固有の遺伝子や性質をもっています)
のバランスを整えてあげて、被害を出すようなある一部の病原菌や虫が多くなる状態を作らないこと、
たとえ出ても安定し収束に向かうようにと考えています。


例えば、育苗などのために毎年張りっぱなしにしているハウスでここ2〜3年、アブラムシが出てしまっています。
もちろんそれに対しては土壌バランスを整えようだとか、窒素量を減らそうだとか、毎年試行錯誤しているのですが。
ですが、毎年諦めかけた5月ごろになると天敵のテントウムシが大量に増えてその後1か月足らずで収束していきます。


もちろん出さないに越したことないし、それは僕の腕がないからなのですが、
方向としては全体として多様化させバランスを整え、緩衝作用を期待する…


こんな感じでいいのかなと、思っています。


実際被害もあるので、商売としてはいいのかどうかわかりませんが…



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