Paca Kajero

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開発と根拠について

八ツ場ダム建設根拠の想定流量など見直しへ 国交相指示
(朝日新聞 2010.10.15)


 国が必要性の検証を始めた八ツ場(やんば)ダム(群馬県)を巡って、馬淵澄夫国土交通相は15日の会見で、利根川水系で200年に1度の洪水が起きた時に想定される最大流量(基本高水)の算出方法を見直すよう指示したことを明らかにした。基本高水はダム建設の最大の根拠で、算出方法の見直しは、各地のダム建設に影響を与える可能性もある。

 馬淵国交相は「今後、八ツ場の検証を進める中で、最新のデータ、技術的知見を用いて徹底的に点検を行い、計算モデルの妥当性を含め見直しを行うべきだ」と語った。

 国交省政権交代前まで、1980年に算出した基本高水を根拠に、八ツ場ダムの建設が必要としてきた。利根川水系では、中流群馬県伊勢崎市の八斗島(やったじま)で毎秒2万2千トンの基本高水が想定され、このうち八ツ場ダムを含め上流域のダム群で5500トンを抑え、残る1万6500トンは堤防などの整備で対応することになっている。

 この30年で上流域の森林の整備は進んだが、基本高水は変更されなかった。現行の基本高水では、八ツ場ダムが完成してもさらに数基のダムが必要とされ、専門家からは「森林の保水力が向上した状況を考慮すべきだ」「想定する流量自体がそもそも過大」との指摘が出ていた。基本高水は川によって異なり、川の規模によって想定する洪水も異なる。


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別に何の関心もない人は、
「ふ〜んそうなんだ。」で終わらせてしまうような記事ですが、
この2日の衆議院予算委員会自民党河野太郎議員の最後の八斗島の基本高水についての質問が布石です。
次の日雨のためネットで録画映像を見ていて、1時間あった同氏の最後の3分ほどの唐突なこの質問に、
驚き、そして深い共感を覚えました。


天下り問題とも密接に関係しているのですが、
構造物の建造は、いろいろ理由をつけていても、その建造自体、
すなわち、お金の流れを作ること自体が目的となっているケースが多々あります。
建造物はそれに関する金額が多額になることから、不透明なお金の流れを作りやすいからです。


たとえば、設計にしても、2,000万程度の規模のものならば、
すべて下請けに7割で出しても、600万のお金が労することなく、
その建造物の計画にかんだ業者(=OBを抱えた業者)に流れるわけです。


だから、計画はなかなか変わりません。
大きな計画で10年以上かかるもので当初の担当者がいなくなった事例でも、
上位計画の修正ということは、まずありえません。
(既得権益の確保と小役人の天下り先確保のため)


そして、その役人達が確保しているお金は、
全て税金なのです。
これで、この国の財政が赤字だと騒いでも、
後のことは知ったとこではないということでしょう。


そんな中で、ダムが3つも建造されていたのに、
それを考慮に入れず基本高水が一緒だと言い張っていた国土交通省に、
自民党時代に行われていた欺瞞にあえて切り込ん河野議員の姿勢は、
今この国に蔓延している役人とお金の悪いスパイラスに風穴を開ける可能性のあるものだったと思います。


  ryo