僕は元来八方美人なので、つい周りの人すべてに気を使ってしまうのだけれども、
つまり、なにか人から物をもらったときなどは、たいして欲しくなくても、
小学校のときの作文で「将来どうしても欲しいもの」という題で書いたくらい、
熱望していました。
という顔をすることにしているのだが、
(相手に僕の演技が通じているかどうかは別にして)
どうしても自分の八方美人説を曲げてまで譲れないものがある。
僕は甘いものが嫌いだ。
憎んでいると言っても過言ではない。
もし人に前世があるのなら、4代くらい前からの因縁があるのではないかと思う。
犬猿の仲、などというが、あれなんてまだ可愛いもので、
こちとら、向こう3mに近づきたくないほどの筋金入りの甘い物嫌いだ。
嫌いだ嫌いだ、と言っていると、だいたいこのごろ皆気遣ってくれ、
「ウサミに甘いものを与えないでください」
と柵の外に張り紙をしてくれていたりするのだが、
たまに僕のことをあまりよく知らないニューパーソンが、
それこそ善意の塊のような顔で甘いものを差し入れてくれたりする。
・・・嫌がらせですから。
2度言うが、僕は八方美人なので、
そんな嫌がらせにも耐え、
「実はこう見えて甘いものに目が無くてね、わかりましたか?」
のようなおこがましこそ言わないものの、
にこやかにいただくことにしているのだが、
心の中では泣いている。
例の大国がそうであるように、自分の価値観が世界に通用すると思ってもらっては困る。
とそんな人生を送ってきたのだが、
一部の人は、僕の引きつった笑顔をそのまま信用し、
毎回甘いものを持ってくるのだ。
ぜひ、メガネの買い替えをお勧めしたい。
そして、30過ぎてようやく気づいたのだった。
「八歩美人でいることは、自分のためにも相手のためにも、主に自分のために良くない。」
そして、それからは、よほどのことが無い限り、
関係の浅い人からいただいた甘いものも拒否することにしている。
ここで、それは、
言い方がきついのでも、
失礼を働きたいわけでもなくて、
ただただ僕自身の保身のためというちっちゃな理由であることを言い訳しておく。
で、そんなわけで作っているあじうり。
メロンは作りません。
ryo
「甘く無いメロンですよ」
と説明しても一向に売れません・
「甘く無い」ってGood Pointですよね?