Paca Kajero

うちの菜園の状況などを徒然に

何も無い

このごろ、
「旅行に行くんだって、うらやましい」
と声をかけられる。


そうなのかな、と思いながら、説明するのが面倒なので、
そのまま、「ええ」とこたえてはいるけれど、
別に観光名所回ったり、ビーチでのんびりしたりすることを目的に行っているわけでもないし、
僕の旅が人にとって羨ましいものなのかどうか分からない。


別にいつも無理して海外まで行っているつもりはないし、
日本国内でもかまわない。
ただ、今は日本は寒いから、暖かいところに行くだけだ。


何しに行くわけでもないし、
朝起き、その日の行き先と、生き方が決まっていない環境に身をおき、
歩き、人に会い、食べ物を探し、日が暮れると寝る場所を探すことの繰り返しになる。
この単純な繰り返しが、僕にとっての生き方だし、
基本的に、旅になんて出なくても、普段の日常で補えることなのだから、
「何のために旅に出るんだ」
と言われても、返す言葉が無い。


ただ、多分に僕の気のせいなのだろうが、
日々を暮らしていると、目に見えない重りが体の回りにどんどんぶら下がっていき、
身動きが取れなくなりそうになる。
きっと、皆はそういう重りにいろいろ名前と理由をつけて生きる導としているのだろうが、
僕にはなかなかそれが出来ず、
誰も自分を知らない場所で、ひっそりと朝起きることが必要になるようだ。


だから、どこに行こう、やら、何をしよう、という目的はいつも無く、
ただ単に、暑い日に犬が水を欲しがるように、旅に出たくなる。


何かを得ようとするのでもないし、
面白い話を見つけてくるでもなく、
ただ退屈な毎日を繰り返し、生きてくるだけ。


つまらないものだと思う。


***


というわけで、旅に出てきます。
基本的に帰ってくるつもりですが、
運悪く帰ってこなかったら、
まぁ、それも仕方ないことだと、
思ってください。
ばか犬とばか猫は、誰かよろしくお願いします。


もし明日の終わりが死だとしても、
それはおそらく静かなものだろうし、
そこに何も問題が無いように、
生きてきたつもりです。


すべてのものが、
幸せに生き、
幸せに死ねますように


幸せですか?


  ryo